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悲観的な自分を受け入れると決めたら、逆に心が軽くなった

こんにちは。

アメリカでラクテーションカウンセラーをしているKaoriです。

 

今日は、メンタルのお話しです。

昨今ポジティブ思考や前向きな考え方を促す心理学系の本やメディアが人気です。中には、性格まるごと改変したい人もいらっしゃるそう。でも、果たしてメソッドや講習を受けたら性格を変える事が出来るのでしょうか?

 

スタンフォード大学の遺伝学を学んでいた時、親から引き継ぐ遺伝の要素についてもレクチャーがありました。その知識を踏まえバックアップの資料を探していたところ、日本心理学会に良い説明があったので引用します。

こうした遺伝子の違いがどのくらい一人ひとりの性格の違いを説明するかをふたごのデータから算出すると,だいたい50%前後になります。これは残り50%が環境によることを意味します。しかし親の影響や家庭の影響(これを共有環境といいます)は先にも述べたようにほとんどみられません。むしろ一卵性のふたごですら違う一人ひとりに独自な非共有環境が重要なのです。これは状況により時間とともに変わる影響です。要するに性格は,自分のもともとの素質のうえに,そのときの環境の影響が加わってあらわれ出たものといえます。そこにあなたの努力が加われば,環境によってあなたの素質をより美しく表現することができるでしょう。”

引用先

これを聞いてどう思うかにもよりますが、私は少し安心した気持ちになりました。というのも、私と母の性格はとても良く似ています。いい面は、面倒見が良く愛情深いのですが、悪い面はとても心配症で悲観的なところです。反対に、父は堂々としていて自分の意見を正直に(いい面悪い面含めて)言える鋼の心の持ち主です。

 

兄弟の中で私がこの母の心配性な性格を私が一番色濃く引き継ぎました。そして、この心配性な側面が長年とても嫌だったのです。他の兄弟のようにもう少し楽観的になれたらと、様々な本を読み、カウンセリングやグループセラピーも受けました。でも、根っこはどうしても心配性なのです。

 

そういう中、交流のあったLynnさんという方言われた言葉が私の心に大きな変化をもたらしました。彼女は70代で長年心理学者として活躍しており、本も出版されています。その彼女が言ったのは、

「長いセラピスト経験の中で、格段に心身の状態が良くなって行く人の特徴は、自分の短所を長所として捉え直す事ができる人。もしあなたが不安な気持ちをコントロールできないことで悩んでいるんだったら、この短所は、実は長所として活かしていた事はないかを探してみて。そして、そのおかげであなたが助かったり、救われたりしたことがないかを考えてみて。」と言うのです。

 

すべての心理療法は、簡単に言うと視点の切り替えです。狭かったり、固執していたりするそれぞれの視野を広げ、多角的な光を指す。これが根源にあります。

 

私は、Lynnに言われてから早速自分の不安症の良い点を探しました。すると、思っていたより素敵な発見をすることができ、不安症な性格のおかげで大きなターニングポイントで救われていた事にも気づくことができたのです。

 

今でも、もっと楽観的だったらなーと思う事はもちろんあります。でも、悲観的な自分も前よりずっと受け入れはじめているのも確かです。