Tender Bear lactation

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産後鬱がこんなに辛いとは思わなかった、私の本音(後編)

こんにちは。

アメリカでラクテーションカウンセリングをしているKaoriです。

 

前篇はこちらから。 

 

さて、恐怖な気持ちと激動のホルモンバランスの変化の中、家に帰ってきて赤ちゃんを抱っこしていると、何だか赤ちゃんの体温が高い気がして来ました。

 

ここで大きな失敗だったのが、新生児用体温計を買っていなかったこと。体温、体重、泣き声は話せない赤ちゃんの大事なコミュニケーションツールです。

 

主人と二人でパニックになり、今病院から帰って来たばかりなのに、また病院の救急へ行きました。対応してくれた医師によると、赤ちゃんは尿路感染しているかもしれないけどテストをしないと分からないと言われました。私がパニックになっていたので、部屋の外で待つ様に言われそこから長い待機の時間。

 

10ヶ月待ってやっと出会った赤ちゃんと引き離され、さらに遠くから聞こえる、たくさん注射をされて泣き叫ぶ赤ちゃんの声。。正直何が何だか分からない精神状態でした。

 

何とか一週間後に退院しましたが、ここから私の産後鬱のスパイラルが始まりました。

 

入院と授乳による産後の睡眠不足と疲労、朦朧とした意識。散らかっていく部屋。自分が自分でない感覚と一緒に、いつの間にか涙が止まらない。基本赤ちゃんのお世話(特に新生児期)というのは見た目で判断しなければいけない場面ばかりです。おしっこの量が少ないんじゃないかとか、何で泣いているのか原因を把握しなければいけないんじゃないか、とmustの気持ちが先走って、でも冷静な判断が下せずにいました。

 

ただあったのは、他のお母さんたちは皆やってるのに、皆出来てるのに、何で自分はできないんだろうと、自分を責める気持ちのみ。無駄に完璧主義な自分の性格が災いしていたのも分かっていました。

 

後で知ったことですが、ジャングルの奥地に住む原住民の方達の中で母親という言葉は、村全体の女性を指し、さらに英語で子育てにはIt takes a village(子育ては村一つ必要)と言われます。

そのくらい大変なのだという現実に直面しつつ、その現実を受け入れられていなかったのかもしれません。

 

今なら分かりますが、日本の○まごクラブなどの雑誌に出ているキラキラしたお母さんのポートレイトの写真は作り物。でも、私も産後は読んでたんですね。そして、また自己嫌悪に。

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結局産後鬱から脱出するために、グループセラピー&個人のセラピストのダブルセラピーで半年かかって乗り越えました。

 

このグループセラピーについてはまた書きますが、本当にいろいろなお母さん達に会って、本音で話し合うことが出来、まさに村の中にいる感覚でした。医療情報がプロテクトされ、個人情報を共有しない独特の環境というのもあったかもしれません。こういう場所が日本にもあるといいのになと本当に思いました。

 

そして、個人セラピー。やはり、思っていることは専門のセラピストに話す事でかなり気持ちが救われました。これは、家族じゃだめだったと思います。というのは、家族も疲れているから。そして、お互いの気持ちを思いやる事も大事ですが、ある一定のラインを超えると専門の知識と距離を持った相手でないと精神分析は難しいからです。

 

これが、私の産後鬱の体験です。

辛い時は誰かを頼る事も勇気。そんな事を学んだ時期でもありました。

もし誰かの参考になれば嬉しいです。

 

#母乳育児 #相談 #粉ミルク #産後鬱